「おい、起きろ。起きろ、ルキア!」
乱暴に肩を揺さぶられて、ルキアははっと目を覚ました。
目の前に、一護の顔がある。不審そうに眉根を寄せ、じっとルキアの顔を覗き込んでいる。
人気(ヒトケ)のない学校の裏庭。校舎の谷間にぽかりと小さな地面が空いている。冷たい風が伸び放題の雑草を揺らしていく。こんな空間が校内に残っていること自体、ほとんどの生徒は知らない。昼休みの喧噪を避け、ぼうっと憩うには格好の場所だ。
「なんだ、一護。なにか用か」
ルキアはよりかかっていた校舎の壁からゆっくりと身体を起こした。
「なんか用かじゃねーよ。三限も四限もすっぽかしやがって。その上、お前――」
一護の手が、ルキアのほほに触れた。
親指の腹で目元を拭う。半分乾きかけた涙の跡を。
「え……」
冷たい、と、感じる。
そうされて初めて、ルキアは自分が泣いていたことに気づいた。
「どうした。怖い夢でも見たのか」
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