「ほら、この奥。この一番奥まで指を突き入れて、かき回したり爪たてたりして、少し酷くしてやると、ミサは悦ぶんだ」
「ここ……、このあたりですかね? この、ちょっとざらついた上のあたり……」
「あ――ひぁ、あッ! いや、……あああんッ!!」
 私は思わず、高い悲鳴をあげた。
 大きく足を開かされ、濡れた秘密の中に、二人の指を同時に受け入れさせられて。
 竜崎さんの長い指が、私の奥を容赦なくかき乱す。感じるところを強く擦られて、思わず腰が浮き上がった。目の前に真っ白な火花が散るみたい。
「一緒にここも苛めてやると、すごく悦ぶんだよ」
「ああ、本当に。もうこんなに膨らんでますね。痛々しいくらいですよ」
 快楽の真珠を指先で捏ねられ、転がされる。
「あっ! あ、やッ、ああッ!」
 悲鳴が止まらない。
 月と違う愛撫。
 月はいつも、そこに意地悪く爪をたてる。薄い莢を酷く引き剥いて、私が泣くまでそこを苛めるの。押し潰したり、時に指先で弾いたり。その酷さに、私は泣きじゃくり、そして溺れる。月に許しを乞いながら、彼の肩にすがりつく。その瞬間がたまらなく切なくて、好き。
 でも、竜崎さんは違う。指先でやわらかくねっとりと、小さな真珠を転がす。繊細なヴィヴラートは甘くて、気持ちよくて、そこが溶けそうになっちゃう。思わず、もっと、もっとして、そこにキスして、と、あられもないおねだりを口走ってしまいそう。
「あ、あ、――くうううッ!」
「おや。もう、軽くイッてしまったようですよ。中が締まって、ひくひくしてます」
「え、もう?」
 竜崎さんの言葉をたしかめるように、月ももう一度、私の中に指を突き立てた。
「ひあんッ!」
「ああ、本当だ。僕らの指に、きゅうきゅう食いついてくるよ。いつもより締まりがいいくらいだ。そんなに感じてるんだね、ミサ」
 指が――指が、私の中を、広げてるっ!
 月と竜崎さんの指が私の一番感じるところを探して、うごめく。繊細な襞をぐりぐりと容赦なく押しひろげ、またかき乱す。根元まで飲み込めと命じるみたいに、乱暴に突き入れる。まるで、私に悲鳴をあげさせるのを競争するみたいに。
 指が、増える。私の中で暴れる、四本の指。
 そこがもう、壊れそう。
「いっ……いやあっ! いやあ、ライトぉ……っ!」
「竜崎。ミサがいやだと言うのは、たいがい嘘だよ。本当はもっとして欲しくて、わざと嫌がってみせるんだ」
「ち、ちが……ッ! も、もう、だめ、そこ――ッ!」
「本当にそのようですね。自分からこんなに腰を振って、おねだりしてますから」
「あっ、あ、い……いやあああッ!!」
 私は泣きじゃくった。
 限界まで脚を開かされ、過敏な部分を容赦なく苛められて、その様子をじっと見つめられる。まるで実験動物みたいに扱われても、もう抵抗することもできない。羞しくて、悔しくて、切なくて、それがたまらなく、悦いの。
「どうして欲しいんだい、ミサ? 言ってごらん」
「あ……。あ、ラ、ライト……」
 ぐったりとして身動きもできない私を、月は優しく胸元に抱き寄せた。
 繰り返される、短いキス。私の唇や頬、目元を小さく音をたててついばむ。
「ち、ちょうだい……。もう……もぉ、指じゃ、嫌あ……っ!」
 月はくすくすっと意地悪く忍び笑いをもらした。
「欲張りだね、ミサ。二人がかりで愛されてるだけじゃ、足りないのかい?」
「そんな……っ」
「じゃあミサ。竜崎にも、見せてやろう。ミサの一番可愛くて欲張りなところを」
「え……。ラ、ライト、なに……!?」
 月は私の身体を抱き起こした。背中から私を抱きかかえ、自分の膝の上に乗せる。まるで小さい赤ちゃんを抱っこするみたいに。
 そして。
「ひぁあああッ!!」
 真下からつらぬかれて、私は高い悲鳴をあげた。
 月の昂ぶりが、剣みたいに私をつらぬく。
 衝撃に全身ががくがくとふるえた。心臓まで一気に串刺しにされたみたい。
「あ、あ……っ、あ――」
 呼吸すらうまくできない。かすれた悲鳴がこぼれる。
 けれど、進入してきたこの狂おしい熱さに、私の身体が慣れる前に。
 月は無慈悲に動き出した。
「ああううーッ!!」
 私のウエストをつかみ、激しく揺さぶる。腰を持ち上げられ、また引きずり降ろされる。まるで月の欲望の上に叩きつけられるみたいに。
 そのたびに、身体の芯に月の欲望が突き当たる。私の一番奥深い、一番感じるところ。
 身体中に稲妻が走る。
「あっ! ひい、あ――いや、いやああっ!! ああ、月、月……ら、らい――あああーッ!!」
 そう。月はいつもこんなふうに私を犯す。普段の紳士的な様子とはまるで違って、ひどく意地悪で。私は身体を二つに引き裂かれるような衝撃の中で、失神するくらいのエクスタシーへ追い落とされる。この、貶められるみたいな歓びは、月に教えられた。
「ほら。これなら全部見える。こうやって恥ずかしい恰好で犯されるのが、ミサは好きなんだよな」
 さらに月は、私の膝を後ろから支え、両脚を大きく開かせた。
 月に犯される私の秘密が、すべてさらけ出される。
 竜崎さんの目の前に。
「ああ……凄いですね」
 ベッドの下にひざまずくようにして、竜崎さんは私の秘密をしげしげと覗き込んだ。
「まるで何にも知らないみたいに可憐で小さなおくちなのに、月くんのを全部呑み込んでますね」
「いッ、いやああッ! いやあ、そんなこと、言っちゃいやあああッ!!」
「だって本当のことですよ。ほら、精一杯おくちを開いて、こんなに太いのを根元までしっかりくわえ込んで、離さない。嬉しそうに蜜を垂らして……」
 竜崎さんの指先が、そこに触れた。
「ここも、ほら……こんなに紅くなって、悦んでる。今にもはじけそうですね」
 小さな真珠を剥き出しにして。
「あくうぅ――ッ!!」
 だめ――だめええっ! そこ、いじらないでっ!!
 さらに竜崎さんの唇が、私の真珠を捉えた。
 ねっとりと熱く絡みつく舌先。転がされて、時に強く吸われて。
「あぅ、あ、あ、いやああっ! だ、だめ、あ――あああっ! あーッ!!」
 つらぬかれて、同時に、いっぱいに押しひろげられたそこを、火傷しそうな熱い舌で辱められるなんて。
「だめええっ! こ、こんな――あっ、あ、そこ……、そこ、おかしくなっちゃうよおおっ!」
 私は全身をのけぞらせ、高く啼いた。
 高ぶる欲望にいっぱいに満たされ、犯される。身体を引き裂かれるような歓びと。一番感じる繊細な部分を、優しく淫らに弄ばれる快楽。二つのまったく違う感覚が、同時に襲ってくる。
 こんなの、初めて。
「悦い? 気持ちいいのかい、ミサ」
「い……悦い――?」
 絶え絶えの息の下、私はうつろに月の言葉を繰り返した。
「う、うんっ! いいの、悦い、すごく――ああ、いいぃっ!」
 月は私のウエストをしっかりと掴み、逃がさない。根元まで私の中に自分の欲望をうずめ、そのまま一番奥を容赦なく突き上げる。とめどなく蜜があふれだすそこを竜崎さんのキスが這い回り、さらに濡らしていく。
 快楽の真珠を強く吸われ、目も眩むような絶頂感が突き抜ける。このまま身体がばらばらになってしまいそう。
「も、もおだめっ! だめ、い――いくうううッ!!」
 そして私は、あっという間に絶頂に駈けのぼった。
「う、くぅ――ミサッ!」
 月も私の名前を呼びながら、すべての欲望を吐き出す。
 灼熱の奔流が、内側から私を焼き尽くした。
 頭の中が真っ白になる。身体からすべての力が流れ出してしまったみたいに、私はそのまま前のめりになって、シーツの波に沈み込んだ。もう、指一本でさえ自分の意思では動かせない。
 けれど。
「今度は、私の番ですよ」
 後ろから静かに竜崎さんがおおいかぶさってきた。
「え……」
「いいんですか? ここ、私が愉しませてもらっても」
 竜崎さんが確認したのは、私にではなく、月に。月に蹂躙されてまだひくひくしてる、私の秘密に触れていながら。
 月は軽くうなずいた。
「ゴムは使ってくれよ。僕だって使ってるんだから」
「無論です。ところでこのスキン、月くんの趣味ですか?」
 竜崎さんがつまみあげたゴムは、中身はシンプルな避妊具だけど、外側のパッケージに可愛いファンシーグッズのキャラがプリントされてる。
「まさか。第一僕はこのところずっと、この部屋でお前につながれてるんだぞ。そんなもの、買いに行けるわけないじゃないか。ミサが用意したんだよ」
 実はこれ、私が刑事の松田さんに頼んで買ってきてもらったの。半分以上、嫌がらせでね。いくら可愛い顔してるたって、大の男が女子中高生にまじってファンシーショップでコンドーム買うなんて、そうとう恥ずかしかったろうし。だって私、このホテルにずっと軟禁されてたんだもん。今はお仕事の時とか、外出できるようになったけど、月はまだ一歩も外に出られない。だからこのくらいの仕返し、やったっていいじゃない。
「やっぱり可愛いですね、ミサさんは」
 そして竜崎さんはゆっくりと私の身体に手をかけた。
 腰だけを高く持ち上げられる。まるで発情した猫みたい。
「きゃうううッ!」
 背後からつらぬかれる。
 けものの交尾みたいな姿勢は、でも、竜崎さんの昂まりが私の一番奥まで届く。
 うそ――お、おっきぃ……っ!
 月に犯されたばかりのそこは何の抵抗もなく、その熱く張りつめた塊を呑み込んだ。
「ああ、悦いですよ、ミサさん――。よく締まる。まるでヴァージンみたいだ。あんな大きなのをくわえ込んでたばかりなのにね」
「そ、そんな……ああっ! ひ、あ……ああんんっ!」
 私のなか、いっぱいになる。みちみちと広げられていく。
 容赦なく突き上げられ、また引き抜かれる。そのたびに目も眩むような快楽が襲ってくる。月とは違う体温。月と違うリズム。けれど弄ばれ続けた身体は、それに抵抗できない。
「あっ! は、あ、あ……あ、いやああっ! だ、だめ、そんな――つ、強い、強すぎるよおっ!」
 蜜があふれだす。竜崎さんが動くたびに、ぐちゅっ、くぷっ、ていやらしい水音が響く。
「随分気持ちよさそうだね、ミサ」
「え……?」
 月が手を伸ばしてきた。涙に汚れた私の頬をすうっと撫でる。私の肩を支えて顔をあげさせ、ほほに張り付いた髪の毛をひとすじずつ、そっと掻き上げる。そして私の耳元に口を寄せ、ささやいた。
「僕と、竜崎のと、どっちが悦い?」
「え、な、なに……・」
「僕のと竜崎のと、どっちが気持ちいいんだい、ミサ。ほら、わかるだろう? こうして二人のを交互にくわえ込んでるんだから」
 月の手がさらにのびる。律動に合わせて揺れてる私の乳房に触れ、その先端を無慈悲に抓る。
「ひいい……っ!」
「竜崎のほうかな。そんな顔をしているよ。ほら」
 そんなこと、答えられるはずないのに。
「月くんは少し拗ねているんですよ。仲間はずれにされたと思って」
 竜崎さんがくすくすと笑った。
 さあ、と竜崎さんは、私の顔をあげさせた。
「今度は上のお唇で、月くんを歓ばせてあげてください」
 竜崎さんの言葉の意味を理解する前に、月の欲望が私の唇に押し当てられた。息苦しさに思わずわずかに唇を開くと、すかさず月は自分のものを私の口中にねじ込んだ。
「ぐ、ふっ! うう――っ!」
 口の中いっぱいに、青臭い苦さが広がる。
 私が咽せかえりそうになっても、月は許してくれなかった。
「わかってるだろ、ミサ。歯はたてないでくれよ」
 私の髪をつかんで、荒っぽく私の唇を陵辱する。腰をつかい、まるで下の秘花を犯す時みたいに。
 下からは竜崎さんが容赦なく突き上げてくる。
「んうううっ! う、ふっ! うう――ッ!!」
 押し殺した悲鳴が漏れる。
 上からと下からと同時に犯され、突き上げられる。意志のないモノのように扱われ、それでも逃げられない。まるで焼けた鉄の丸太みたいに大きなひとつの欲望に、唇から下肢までずぷりと串刺しにされてるみたい。
 そして何よりも哀しいのは、そんな理不尽な扱いをされても、私の身体が歓んでいること。優しく、いたわられながら抱かれる時よりも、ずっと深く、熱く、めちゃくちゃに感じてる。
「ああ、いいよ、ミサ――上手だね。そう、もっと……もっと、舌を使って――!」
「こちらも、最高ですよ。私のものに絡みついて……、離してくれませんよ。ほら……!」
 二人がうわごとのように快楽の様子を口走る。
「ああ、ミサ! ミサ、もう……っ!!」
「イキますよ、私も――!」
「うぅッ!! く、うううーッ!!」
 からだの内側からすべてを焼き尽くされるような、衝撃。まるで全身が裏返しにされるみたいな、惨く、荒々しく、そして激しい快楽。
 がくがくと全身が痙攣した。
 そして私は、上と下から同時に、煮えたぎる欲望を注ぎ込まれた。




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TWO MEN and LITTLE BABY
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