舞に夢中になっていた人々の耳にもその声は届き、周囲の視線はふたたび柏木さまと源氏の君とに集まりました。みな、柏木さまが源氏の君の祝福を受けられるところを確認しようと、その手元を注視していました。
 ここで盃を断るのは、貴族社会の儀礼に反します。年長者、権力者から差し出された盃を、祝福を、目下の者は断ることはできないのです。そんなことをすれば、礼儀も知らぬ愚か者、秩序を乱す慮外者として、貴族社会からつまはじきにされてしまいます。
 柏木さまは一瞬たりとも源氏の君から視線をそらすことなく、なみなみと盃に満たされた酒を飲み干されました。
 見守っていた人々のなかから、小さく安堵の吐息が聞こえたのを、わたしは覚えています。儀式は無事に終了したと、そう思われたのでしょう。そして皆さまはまた、盛り上がる舞に夢中になられました。
 柏木さまは荒く音をたてて盃を高坏に置くと、立ち上がりました。
「俺は間違っていない。俺がやったことは、正しかったのだ! どちらがうつろい、滅びていくのか、良く見ているがいい。この舞が終わる時が、あなたの最期だ」
 そのまま、もとのお席へ戻っていったのです。
 源氏の君も、何事もなかったように、中庭で続く舞へ目を向けられました。
 お二人の会話を聞いていたのは、わたし一人でした。
 もし会話の切れ端を小耳に挟む者がいたとしても、それはたわいない宴の批評、老人めいた愚痴にしか聞こえなかったことでしょう。
 わたしもそっと、仲間の女房たちのもとへ戻りました。
 もう、舞なんか眼に入りません。
 この舞が終わる時、いったいどれほど怖ろしいことが起きるというのでしょう。
 御簾越しに確かめると、柏木さまはまだ怒りにこわばった表情で、源氏の君を睨んだままでした。
 でも、それ以上のことをする様子はありません。
 そのまま何事もなく、やがて舞は最後の盛り上がりを見せていました。
 が、柏木さまがふたたび立ち上がったのです。
 苦しそうに胸元を押さえ、やがて堪えきれなくなったように、渡殿のほうへ向かって歩き出しました。舞のほうもご覧にならずに。
 一瞬、飲みすぎで悪酔いしたのかと思いましたわ。
 けれどその表情はみるみる冷たく青ざめ、ただごとではないとすぐにわかりました。
 柏木さまは逃げるように、その場を離れました。はなやかな宴の続く中庭に背を向け、まるでどこかに隠れるように。
 その様子に気づいた人も何人かいたようですが、夕霧さまが彼らを制止しました。悪酔いしただけだろう、すぐに戻ってくるとでも言ったのでしょうか。
 わたくしはあわてて柏木さまの後を追いました。柏木さまの名前を叫んでいたかもしれません。
 柏木さまはふらつき、時折り激しく嘔吐しながら、西の対へと向かっていました。
 ――最期の力を振り絞り、紗沙さまのもとへ。
 そして。
 あとは紗沙さまのごらんになったとおりです。
 柏木さまは、愛する方の腕の中で、絶命なさったのです。
 ……間違いありません。
 あれは、毒です。
 柏木さまがお飲みになった酒に、毒が入っていたのです。
 その証拠に、源氏の君は盃を口元に当てただけで、一口も飲んではおられなかったのですから。
 どうして……どうして、こんなことを。
 なぜ、柏木さまが……!!
 ――いいえ、やめましょう。
 たしかなのですね、紗沙さま?
 おなかに赤ちゃんがいらっしゃるって。……柏木さまの、忘れ形見が。
 だったらもう、そんなに嘆き悲しんでおられてはいけません。さあ、お顔をあげてくださいまし。
 もう、なにもお考えになりませんよう。安らかなお心で、おすこやかな赤ちゃんをお生みになられること。ただそれだけをご祈念なさいませ。
 柏木さまもきっと、それを望んでおられるはずです。
 わたしは、紗沙さまの味方です。なにがあっても、紗沙さまと、そしてお生まれになるお子さまを、お守りしてまいります。
 ですから紗沙さま。この小侍従に、何でもお命じくださいませ。
 わたしは今までどおり、紗沙さまの眼となり耳となって、どんな情報でも掻き集めてまいりますとも――!





   五、明け鴉、鳴く


 わたくしが正気を取り戻した時、あたりはすっかり片づけられていた。
 壊れた格子は元どおりに修理され、血に汚れていた床もきれいに清められている。柏木が断末魔の苦しみにのたうち回ってしがみつき、血まみれの手形が印されてしまった几帳は、真新しいものに取り替えられていた。
 わたくしの衣も単衣から袴から、すべて新しいものに着替えさせられていた。袖にも寝具にも、濃厚に香が焚きしめられている。血の臭いをごまかすために。
 あの惨劇の痕跡は、何ひとつ残されていなかった。
 女房たちがひそひそとうわさする。
「衛門督さまが、なにやらご不慮とか」
「あの試楽のあと、急にお床につかれて。たちの良くない流行り病らしくて、一条のお屋敷では、どなたのお見舞いもお断りされているそうですわ」
「お偉いお坊さまの加持祈祷も役に立たず、たいそうなお苦しみだとか……」
 まるで、柏木がまだ生きているかのような話をささやき交わす。
 柏木の死は、公表されていないのだ。
 いったいこれは、どういうことなの。
「一条御息所さまのお屋敷だけでなく、柏木さまのご実家の太政大臣家でも、何人もの陰陽師や咒禁師
(じゅごんし)を呼び集め、回復祈願のご祈祷も昼夜を分かたず続けているそうですわ」
 小侍従がそっとわたくしに告げた。
「なんで……そんなことを――」
「わかりません」
 小侍従は首を横に振った。
「病が感染る
(うつる)といけないからと、主上からのお見舞いの使者もほとんど門前払い。一条のお屋敷に出入りできるのは、今は夕霧さまお一人とか。夕霧さまはほとんど毎日のように一条を訪れておられますわ」
 淡々と報告する小侍従の横顔は、まるで別人のように暗く、やつれていた。
 きっとわたくしも同じだろう。小侍従は時折り、ひどく心配そうにわたくしを見る。
「紗沙さま。これをお読みくださいませ」
 そっと一通の文を差し出す。何人もの手を経て、ようやく届けられたのか、薄汚れてくしゃくしゃになってしまった手紙。
 宛名は小侍従、筆跡は端麗で美しく、見覚えのない女手だった。






 
  《小少将(こしょうしょう)の君の記せる》
 突然のお便りをお許しください。お会いしたこともない方にこのような文を差し上げるなど、さぞ非礼なこととお怒りでしょう。ですが、今のわたしどもには、貴女さま以外にご相談申し上げられる方がいないのです。
 わたくしは一条のお屋敷で、女二の宮さまに親しくお使いいただいている女房でございます。お屋敷では、小少将と呼ばれております。
 今、わたくしは夕霧大将の目を盗んで、この文をしたためております。本来なら一条御息所さまか女二の宮さまが、お妹君の女三の宮さまにお文を書かれるべきなのでしょうが、お二人の回りには夕霧大将が手配した監視の目が厳しく光り、自由に筆をおとりになることさえ、許されないのです。
 お気の毒に、一条御息所さまはご心痛ですっかり体調をくずされて、寝込んでしまわれました。夕霧大将が陰陽寮からお呼びよせになった薬師
(くすし)や咒禁師は、柏木の殿を診察しているのではありません。御息所さまのお手当をしているのです。
 これはどういうことなのですか? なぜ柏木の殿は、あのような変わり果てたお姿で六条院からお戻りになられたのでしょう。女三の宮さまならば、くわしいご事情をご存知でらっしゃるのではないでしょうか。
 夕霧大将はなにも教えてはくださいません。ただわたしたちに固く口止めをして、ご自分はさも柏木の殿がまだご存命であるかのように振る舞っていらっしゃいます。見舞いと称して一条のお屋敷に足繁くお通いになり、わたしどもが外部の人間と接触することのないよう、見張っておられるのです。
 女二の宮さまは、一時たりともその監視の目から逃れることができず、まるで囚われ人のような有様なのでございます。
 宮中からの使者や太政大臣家からのお見舞いを門前払いにしたのは、すべて夕霧大将のご指示です。時に夕霧大将はご自分で、見舞いの文へのお返事を代筆なさったりしておられます。それも、気味が悪いくらい柏木の殿の筆跡そっくりに、病で筆が乱れる様子まで真似てしまわれるのです。あれでは実のご両親がご覧になっても、偽手紙とは見抜けないでしょう。
 お教えください、小侍従さま。あの試楽の夜、六条院でいったいなにがあったのですか?
 夕霧大将、そして源氏の君は、なにがなんでも柏木の殿が六条院以外の場所で、試楽の夜よりあとに亡くなられたことになさりたいのでしょう。このような不自然な亡くなり方をお知りになれば、太政大臣さまは必ず、愛するご長男の死の謎を暴こうとなさるでしょうから。
 世間をあざむくための秘密を押しつけるには、わたしどものような人手の少ない、後ろ盾のない女所帯がもっとも手頃だと、源氏の君と夕霧大将はお考えになられたのでしょう。
 まさにお二人の思惑どおりです。御息所さまは床につかれたまま、女二の宮さまも声もお出しになれないほど怯えきっていらっしゃいます。あまりにもお気の毒で、おそばにお仕えするわたしどもですら、もう見ていることができません。
 本音を申しますと、わたしは女三の宮さまをお恨み申しあげておりました。
 女二の宮さまも、うすうすご存知だったのです。お妹君と柏木の殿のことを。
 女二の宮さまは、以前よりおっしゃっておいででした。夫婦として柏木の殿と向かい合っていても、時々、殿のお心がここにないのがわかってしまう、と。
 柏木の殿がかつて女三の宮さまのご降嫁を熱望されていたことは、周知の事実です。女三の宮さまが源氏の君に降嫁されてすぐに女二の宮さまをめとられたことを合わせて思えば、柏木の殿のお心に誰が棲んでいるのか、おのずと知れるというものでしょう。
 それでも今は、女三の宮さま以外におすがりできる方がおりません。
 女三の宮さまよりお返事がいただけないことは承知しております。もしもお手紙をいただけたとしても、今の状況ではそれは、わたしどもの手に届く前に夕霧大将に見つかってしまい、破棄されてしまうでしょうから。
 けれど、もしもいつか、このことについて自由にお話になれる時が来ましたならば、その時にはどうか、わたしどもにもお教えください。あの夜の、すべての真実を。
 お願い申し上げます。このままでは柏木の殿が、そして女二の宮さまがあまりにもおかわいそうです。
 これより文を、出入りの商人に託します。さすがに殿方の出入りのない台盤所は、監視の目も行き届かないのです。
 今はただ、この手紙が無事に小侍従さまのお手元に届くことだけを、祈っております。どうぞみなさまに、み仏のご加護がございますように――。






 わたくしは小少将の手紙になんと返事をやればよいか、考えつかなかった。だって真実はまだ、わたくしにもつかみ切れていないのだから。
 そしてわたくしや小侍従が返事を書けば、それはきっと夕霧に見つかり、取り上げられてしまうだろう。わたくしたちだけではなく、小少将やお姉さままで危険にさらしてしまう可能性がある。
 今はまだ、目立つことはできない。
「夕霧さまは、病床の柏木さまとお文のやりとりをなさったと、その手紙を主上にもお目にかけたそうです。宮中で働く女房たちが、うわさしていましたわ」
「その文も全部、夕霧が書いているのね。お兄さま――主上は、同じ人間の筆跡
(て)だって気がつかれないのかしら」
 自分で言って、わたくしは自分で小さく首を横に振った。異母兄はそこまで鋭い人間ではない。英明で観察眼に優れた冷泉さまならともかく。
「太政大臣家の家人や女房たちも、真実を知る者はほとんどいないようです。柏木さまは一条のお屋敷で闘病中だと思い込んでいるみたいですの。弁の君と何度か手紙をやりとりしました。夕霧さまの北の方、雲居雁さまも、お兄君はまだ生きておいでだと信じておられますし」
 そうやって、六条院でも、太政大臣家でも、柏木がまだ病床で生きているかのように取り繕い、もっともらしいうわさを流す。
「柏木さまのご容態ははかばかしくないようですわ。回復が遅れたため、内裏にもとうとう辞職願いを提出されたとか」
「主上はそれをお引き留めあそばして、反対に大納言の位を贈られたそうですの」
 真実はすべて隠された。
 柏木の死は、六条院とは無関係。彼の発病が、源氏の君と結びつけられて考えられることはない。
 わたくしは、柏木の死を嘆くことすら許されなかった。
 物の怪がついた、との夕霧の一言が、わたくしが何を言おうとも、すべてでたらめにしてしまう。誰もわたくしの言うことを信じようとしない。
 わたくしのこの涙も、単に物の怪が流させる意味のないものとして扱われ、ともに嘆いてくれる者すらいないのだ。
 柏木の死が公表されたのは、それから一月あまりも経ってからのことだった。
 六条院での試楽のあと、流行り病に倒れた柏木は、一条の屋敷で高熱に苦しんだのち、親元に引き取ろうとした太政大臣の手も間に合わず、手厚い看護の甲斐もなく息を引き取った、と。
 死因はあくまで病死。死亡日時もいつわりの発表がされたのだ。
 そしてようやく葬儀が行われ、大納言となった柏木の遺体は荼毘に付された。
 ……その亡骸も、今となっては本物の柏木だったかどうかわからない。もしかしたら柏木の亡骸は、先にひっそりと火葬され、埋葬されているかもしれない。
 頼みにしていた長男に先立たれた太政大臣は、その嘆きと心労に一気に老いやつれ、かつての面影もなくなっていたという。そして間もなく、内裏でのすべての職を辞し、政治の表舞台から完全に引退した。
 廟堂に残ったのは頭の弁
(とうのべん)、兵衛の佐(ひょうえのすけ)など、柏木のまだ若く未熟な弟たち。
 年令は夕霧とさほど変わらないものの、親の七光りで出仕していた彼らは、早くから宮中の荒波に揉まれ、実力で昇進を掴んだ夕霧とは、肩を並べるべくもない。上位にある髭黒大臣は夕霧と玉鬘にうまく手綱を握られ、皇統源氏の操り人形だ。夕霧と対抗できるのは柏木だけだったのだ。
 早くも内裏は次代の勢力地図が定まってしまったと、そんなうわさが流れていた。
 間違いない。
 皇統源氏は勝利をおさめ、藤原一門は敗北したのだ。
 勝者の権限として、この犯罪は完全に覆い隠された。
 ――けれど、なぜ?
 勝者と敗者の図はわかる。
 でも、なぜ柏木は殺されなければならなかったの!?
 なぜ。
 誰が、ではない。それはもう、疑いようがない。
 疑問はただひとつ。「なぜ」。
 わたくしと密通したことを裁かれたのか。
 ――そんなはずはない。
 たしかに他人の妻を盗むことは罪だけれど、源氏の君にそれを裁く資格はない。帝への入内が決まっていた朧月夜と密通し、彼女が尚侍として出仕したあとも、ずるずると禁じられた関係を続けていた彼に。
 第一、不義を罰することが目的なら、なんで試楽の宴などという派手な舞台を選ぶ必要があったの。もっと目立たぬよう、ひっそりと柏木の命を奪うこともできたはずなのに。そしていまだに、わたくしになんの罰も与えられていないのは、何故?
 では、廟堂での争いの結果?
 柏木は手紙に書いていた、必ず源氏の君に勝ってみせる、と。
 けれどやはり、それはかなわなかったのだろうか。
 二人のあいだに、皇統源氏と藤原一門とのあいだにどんな闘いがあったのか、わたくしには知るすべもないけれど。
 敗北の代償に、柏木は毒杯を与えられて……。
 まさか、そんなことが許されるの?
 内裏での闘いに決着がついても、勝者は敗者の生命までは奪わない。官位を剥奪し、遠い辺境の地へ追いやるだけ。それが今のやり方なのに。
 もしも生命まで奪ってしまったら、死した敗者の魂が怨霊となり、勝者に祟ってしまうから。人の身を苦しめる病も不幸も、都を襲う天変地異さえ、すべては怨霊のしわざだとされる。
 源氏の君は、柏木の怨霊も恐れはしないということ? 
 いいえ……もしかしたら。
 ふと、かつて柏木が言っていたことが思い出された。
 源氏の君が須磨へ落ちるころ、当時まだ東宮だった冷泉さまについて、妙なうわさが流れたと――。
 わたくしは顔をあげた。
 もしかして、そのせいだったの?
 そう考えると、すべてのことがつじつまがあってくるような気がする。
 柏木が源氏の君を追いつめようとしていた、切り札。それが、その冷泉さまにまつわる秘密だとしたら。
 冷泉さまが突然退位されたのも、それなら納得がいく。東宮に譲位しなければ秘密を暴露すると、柏木が脅したのかもしれない。
 いったい、どんな秘密なの。
 柏木がそれを知ってしまったがために、殺されたのだとしたら。
 わたくしも、それを知らなくてはならない。
「女三の宮さま。お食事でございます」
 中年の女房が女童を従えて、食事を運んできた。
 次々にわたくしの前へ並べられる、贅を尽くした料理。
 けれどわたくしは、箸もとらなかった。
「いりません。食べたくないの。下げてちょうだい」
「紗沙さま……」
 そばに控える小侍従が、心配そうにわたくしを見る。
 けれど無理に食事を勧めようとはしない。
 小侍従も知っている。なぜ、わたくしが食事を拒むか。
 ――都も場末の市まで行けば、怪しげな祈祷師や薬師も大勢いる。金次第で、どれほど危険な呪符や薬でも、用意してくれる連中が。
 堕胎の薬だって、簡単に手に入れられるのだ。
 六条院で出されるものを、うかつに口にするわけにはいかない。
 わたくしのお腹に宿る柏木の子が無事に生まれるのを、源氏の君はけして望まないから。
 わたくしの懐妊は、すでに六条院全体に知れ渡っていた。誰から聞かされたのか、お寺に籠もられたお父さまからも、心をこめた祝いの品々が届けられた。
 けれどめでたい雰囲気とはうらはらに、本当にこの子の誕生を待ち望んでいる人間は、六条院の中にはわたくしと小侍従以外、誰もいない。
 源氏の君は紫の上に、
「どうして、欲しいと望んだ女
(ひと)には子供が恵まれず、望んでもいない人の腹に子供ができるのだろうか」
 と、言ったらしい。
 おそらくそれが、彼の本心だろう。
 望まない子供の誕生を、源氏の君がただ指をくわえて待つだろうか。
 西の対の女房たちがどこまで知っているのか、源氏の君から何を命じられているか、わからない。
 けれど周囲の人間たちすべてが、わたくしを見張っているように思える。小侍従以外の者すべてに疑いの目を向けざるを得ないのだ。
 この子を無事に出産するためなら、わたくしは何だってできる。





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