本当は、たとえ携帯電話でであっても、駿が夕夏と話しているところなんて見たくない。
けれど――わかっている。今、駿にはそれが必要なのだ。駿が、夕夏の声を聞くことを望んでいるのだ。
だから依里は、それを後押ししてやらなくてはならない。なによりもそれが駿のためになると、依里自身、わかっているから。
――こんなこと、わかっちゃう自分が本当はいやなんだけど。依里は内心、自嘲した。大人だから、しょうがないのかな。
いや、違う。駿のためだからだ。
今までの綺麗事や見せかけだけの思いやりの言葉などとは違う。
駿のためなら、見たくない光景も見なければならない。その覚悟を持たなくては。
そして、そんな依里の決意を、駿には悟らせたくない。駿が知ってしまえば、またよけいな重荷を増やしてしまうことになる。
依里はにっこりと、気楽そうに笑ってみせた。
「かけたいんなら、かけちゃえば? あんまり重苦しく考え込まないほうがいいんじゃないかな。だって、たかが電話でしょ? 夕夏ちゃんがヤダ、あんたなんかキライってキレ始めたら、すぐに通話切っちゃえばいいだけじゃない」
ぷち、ぷち、ぷち……と小さな音をたて、白い錠剤を手のひらの上に出していく。
一応、箱に書かれた注意書きは読んでみた。
「一回二錠、一日三回まで……か。じゃ、一日に六錠までは飲んでいいんだ」
六〇錠入りの箱を眺め、夕夏はぼんやり考えた。
頭が痛い。どんどん痛みがひどくなる。めまいや吐き気もしてきた。一錠や二錠の薬では、このつらさはとうてい治りそうにない。
一日分の六錠を、ペットボトルのスポーツドリンクで一気に飲み下す。
冷たい液体とともに、薬が塊になって喉の奥に転がり落ちていく。
一瞬、錠剤の塊が喉に詰まりそうになった。けれどごくんと飲み込むと、一気に身体の中に落ちていき、そのあとはすうっと息が楽になる。その感覚は不思議と夕夏を安心させてくれた。
それでも頭痛はおさまらない。夕夏はベッドにどさりと身体を投げ出した。
つらいのに、こんなに苦しいのに、横になっても眠れない。身体は泥のように重たくて動かすこともできないのに、頭の芯は妙に冴え、冷たくなっていくようだ。
……どうしよう、また眠れなかったら。
怖い。起きて、いろんなことを考えるのが怖い。
だってもう、夕夏を救ってくれる人は誰もいないから。
「そうだ……。あのブログ」
夕夏はのろのろと身を起こし、枕元に置いてあった携帯電話に手を伸ばした。
サイトアドレスはもう覚えている。目当てのページを開くと、そこには夕夏と同じような女の子たちの、うめき声みたいな言葉が淡々とつづられている。
――あ、やっぱりそうだ。この子も書いてる。普通に痛み止め飲んだくらいじゃ全然効かない、少し多めに飲まないと眠れないって。
ギャル文字、絵文字だらけでものすごく読みにくい日記。でもその内容は、夕夏をとても安心させてくれる。
――お医者さんから貰う睡眠導入剤や精神安定剤じゃなくても、ふつうの市販薬でもちょっと多めに服用すれば、けっこう効くよ。なんか、ほんの少し楽になる感じ。市販薬だから安心だし、手に入れるのも簡単だし。いつでも手元に薬があるって思うと、やっと安心して眠れるんだ……。
そうだ。自分だけじゃない。夕夏の手が、だんだん止まらなくなる。箱から、銀色のシートを全部出す。ひとつのシートに二〇錠ずつ、小さな錠剤がずらりと並んでいる。
――なんか、可愛いな。夕夏はふとそんなことを思った。小さくて丸くて、ちょっとお菓子っぽいかも。
だから、全然怖くない。
「多めって……どのくらいかな。一日分――じゃ、ないよね」
たぶんその程度じゃ、全然効かないに違いない。だって夕夏のこの頭痛も、薬を飲んだのに少しも治らない。
多めっていうくらいだから……。
ぷち、ぷち、ぷち……。白い錠剤が、次々に手のひらの上に並べられていった。
このくらい飲んだら、少しは眠れるだろうか。
――だって薬が効かないんだもん。一錠や二錠じゃ全然効かない。頭が痛くて、つらいの。苦しいの。だから、しょうがないじゃない……。
「まだ、迷ってるの?」
「ん……」
駿は携帯電話を手に持っていた。待ち受け画面を眺め、ぼんやりと考え込んでいる。
「待ち受けの写真、なに? 見せて」
「俺のバイク」
「あらほんと。つまんない」
「じゃ、依里さんのは」
「友達ん家の猫ー!」
少しでも気持ちを引き立てようとはしゃいだ声を出しても、駿は乗ってこない。
ちょっと困ったような苦笑が、依里の口元に浮かんだ。しょうがないな、と、小さくため息をつく。
「そんなに迷うことなんか、ないと思うけどな」
「でも――。電話したって、何て言やいいのか、わかんねえし……」
今頃は夕夏も自分の家に帰りついて、家族の顔を見て、少しは気持ちも落ち着いているだろう。もしかしたら友達に泣きながら電話して、失恋しちゃったと打ち明け、慰めてもらっているかもしれない。
そんなところへ駿から連絡があったら、せっかく少し落ち着いた夕夏の気持ちがまたひどくかき乱されてしまうかもしれない。駿はそのことだけを気に病んでいるのだろう。
今も、自分が一番酷く夕夏を傷つけたと思っているから。
「ねえ、駿くん」
依里は駿の瞳を真っ直ぐに見つめ、言った。
「きみは、どうなの?」
ぷち。ぷち。ぷち。
銀色のシートから、次々に白い錠剤がこぼれ落ちる。
夕夏はそれをひとつずつ、口の中に押し込んだ。
だってしょうがない。いくら飲んでも、頭痛がちっとも治らない。心も軽くならないし、眠くもならないし――。
ああ……でも、眠くはなってきてるのかな? 頭の中が少しぼうっとしてきた。もう、あの頭の芯がきんきん冷えるような感覚はない。
じゃあ、あとちょっと飲めば、眠れるかな。
そう思っても、夕夏の手は止まらない。
本当はこんなこと、やめなくちゃって、わかっている。妙に鈍くなって霞がかかったような頭の片隅で、声がする。
――やばいよ。もうやめよう。これ以上はマジ、やばいって。
それは夕夏自身の声だった。夕夏が、夕夏を必死で止めようとしている。
でも、身体がその声に従ってくれない。
もう、ペットボトルはとっくに空になっていた。夕夏は錠剤を口に入れると、ラムネみたいにぽりぽり噛み砕いて飲み込んだ。薬の苦さもまったく感じなかった。
「お、れ……?」
「そう。きみの気持ち。夕夏ちゃんがどう思うかじゃなくて、きみがどう思っているか。なにをしたいって思ってるか、よ」
「俺の気持ち……」
駿はうつむいたままだった。両手で携帯を握りしめ、身動きもしない。
ふたたび夕夏を傷つけてしまうのが怖い。駿の心は今、その考えだけで占められているのだろう。一度犯した過ちのせいで、次の一歩がどうしても踏み出せなくなっている。
それは、依里自身もかつて味わった思いだった。
そしてその一歩を踏み出すきっかけを依里にくれたのは――駿だった。
だから、今度は……私の番だね。
「いいんだよ。きみが安心するために、夕夏ちゃんに電話したって」
「え?」
ようやく駿が顔をあげた。思いがけない言葉を聞いた、というように、少し怪訝そうな表情で依里を見つめる。
「夕夏ちゃんのためじゃなく、きみ自身のために、今、何がしたいのか考えてごらんよ。そうすれば、きっと答が出ると思うよ」
「俺の、ため……」
依里の言葉を噛み砕き、ゆっくりと反芻するみたいに、駿は繰り返した。
「俺……。俺――」
携帯を持つ手がかすかにふるえている。
駿は、銀色の携帯電話をこつんと額に押し当てた。まるで祈りを捧げる人のように。
今はこの小さな機械だけが、少年と少女をつないでいる。
「俺……。あいつの声が聞きたい――」
どこか遠くで歌が聞こえる。
インストゥルメンタルの、古い古いラヴソング。私を月まで連れていって、あの星空の彼方で夢のようなキスをしよう――。夕夏の一番好きな歌。
……なんだろう。どこから聞こえてくるんだろう。
頭が全然働かない。
目の前は白い膜がかかったみたいに、何も見えない。まるで深い霧に包まれているみたいだ。それとも真っ白な沼の底に沈んでいるのか――。
沼に沈んじゃったんだろうな。だってほら、あたし、もう息ができないもん。
苦しい。喉の奥が焼け付くようだ。
けれどその苦痛さえ、自分自身のものではないような、どこか別の世界から伝わってきているような気がする。
このまま、死ぬんだ。
夕夏は鈍く、そう思った。けれど恐怖も、みんなと別れる哀しみも、何にも湧いてこない。だんだん身体が麻痺していくように、心もしびれて働かなくなっていくようだ。
――最期にこの曲が聴けて、よかったな……。
「出ねえ」
携帯電話の画面を見つめ、ぽつりと駿がつぶやいた。
「切られちゃった?」
「ううん。出ないんだよ。ずっと呼び出し音が鳴ってる」
駿はもう一度携帯を耳元にあてた。呼び出し音を数えているらしい。しばらくそうしていたのち、
「やっぱ、だめか。そりゃそうか――」
諦めたように軽くため息をつき、携帯を切った。
「夕夏ちゃん、出てくれなかったのか。残念ね」
「ああ……」
が、やがて駿は訝しそうに首を傾げた。
「なんか――ヘンだ」
「え? ヘンって……」
「着信拒否でも、ぶち切りでもなくて、ずっと着メロ鳴らしっぱなしなんて……。俺からだってわかるはずなんだから、切っちまったほうがいいのに。鳴りっぱなしじゃうるせえし、家族もヘンに思うんじゃないのか?」
「そうね。マナーモードにしてるってことも考えられるけど――。留守電にもつながらなかったの?」
「メッセージは聞こえた。俺、途中で切っちゃったけど。――そうだな。留守電になんかメッセージ入れておけば……」
だが駿は独り言のようにつぶやいた。そして、リダイヤルの操作をする。
ふたたび呼び出し音を数えて、
「ヘンだ。――なんか、ヘンだ、あいつ……!」
「駿くん!?」
「こんだけ鳴らしゃ、ふつうは絶対なんか反応があるもんだろ? 腹立ってんなら、着メロなんか鳴らないように電源切っちまえばいいのに、――あいつ、なんもしねえなんて……こんなのおかしい。ぜってぇ、なんかおかしい!」
駿の表情が次第にこわばり、青ざめていく。
依里も、ぞくっと悪寒のようなものを感じた。思わず息を呑む。
「駿くん……電話、切っちゃだめよ! 夕夏ちゃんが出るまで、ずっと鳴らしてて!」
あ……唄が、止まっちゃった。
擦り切れかけた心が、ぽつりとつぶやく。
もう少し、あと少し、聞いていたかったのに。
そう思うと、まるで夕夏のその願いを聞き届けてくれたように、もう一度同じメロディが聞こえ始めた。
……ありがと。やっぱり、あたしのこと、ちゃんとわかっててくれるんだね。そう思うけれど、その相手が誰だったか、もう思い出せない。
いつの間にか、身体だけがいつものクセで、勝手に動き出していた。ひどくのろのろとして、まるでなめくじが這うような動きではあるけれど、右手が携帯を捜して枕元をさぐっている。
――けーたい?
ああ、そうだ。この曲は、夕夏のMY FAVORITE SONG。一番大切な人からのメッセージを報せてくれる歌。
「……しゅん――」
この歌が鳴ったら、駿の声が聞ける。夕夏、て、駿があたしを呼んでくれる。
駿が、あたしを助けに来てくれるの……!!
そうだ――夕夏は、身を起こそうとした。
応えなきゃ。携帯に、駿に、応えなきゃ。
このままじゃ本当に、死んでしまう。もう、駿に逢えない。
……助けて、駿。
死にたくない。死にたくない。駿に――もう一度、駿に逢いたい……ッ!!
涙があふれた。乾いて引きつれた唇から、あ、あ……と、かすかにうめき声がもれる。
――怖いよ、怖いよ、駿。助けてよ。
あたしは――夕夏は、ここにいるの……っ!
「しゅん……ッ!」
最後の力を振り絞り、夕夏は世界で一番大好きな人の名を、呼んだ。
「夕夏……? 夕夏!? おい、夕夏、どしたんだよ、返事しろよ、夕夏ッ!!」
携帯を握りしめ、駿が怒鳴った。
その様子はふつうではない。
「どうしたの、駿くん!?」
依里の問いにも答えず、駿はそのまま携帯電話に向かって怒鳴り続けた。その表情が見る間に青ざめ、こわばっていく。
「夕夏ッ! ばかやろう、お前、なにやったんだ! 答えろ、夕夏ッ!! 俺の声が聞こえねえのかよ! 起きろ、起きろよッ! 目ぇ開けろ、夕夏あッ!!」
「駿くん、なにがあったの、夕夏ちゃんがどうかしたの!?」
依里は思わず、駿の腕を強く引っぱった。
駿が携帯電話を取り落とす。けれど二人とも、そんなことには気づかない。
依里と目があうと、ようやく駿は大きく息を吸い込んだ。
「あいつ――あいつ、クスリ飲んだッ!」
「な……ッ!?」
「電話に出た時、様子がおかしかった。ろれつが回んなくて、俺の言うことにもまともに返事ができなくて――くすり……くすりって言って――っ!」
駿は茫然と立ちつくしていた。大きく見開いた目は、焦点を無くしている。
「しっかりして――しゃんとして、駿くんっ!」
依里は怒鳴った。駿の両腕を掴み、力一杯その身体を揺さぶる。
「夕夏ちゃんのお家に電話して! 電話番号、知らないの!? 救急車を呼ぶのよ、早くっ!」
「い、家……? あ、ああ――夕夏の家!」
駿はあわてて携帯電話を拾い上げた。指のふるえを必死で押さえながら、携帯を操作する。
「もしもし、佐々木さんのお宅ですか――俺、駿です。石和駿っ! おばさん、夕夏の様子がヘンだ、すぐに部屋に行ってください――!!」
SCENE 6 六月二十六日――いつか来る夏
白い小さな病室に、夕夏は寝かされていた。
病院のベッドは枕も毛布もすべて真っ白で、その中に埋もれた夕夏はひどく小さく、泣き疲れて眠っている幼い子供みたいに見えた。
――胃の洗浄は間に合いました。ええ、今は眠っていますよ。落ち着いています。意識の混濁もあまりひどくはありませんでしたし、すぐに目をさますと思います――。
廊下でちらっと聞いた医師の説明を、ゆっくりと思い出す。――頭痛薬? 市販のですか。何錠くらい飲んだか、わかりますか――。
その質問に、夕夏の母は何と言って答えていただろう。
夕夏が救急車で運ばれた時、救急隊員とともに夕夏に付き添ったのは母親だけだった。
父親は連絡を受けてあわてて勤務先から帰宅し、母親が夕夏が搬送された病院名などを知らせてくるのを待っていた。そこへ駿もバイクで駆けつけ、ともに病院へ来たのだ。
夜間の救急窓口を持つ総合病院は、静かだが思ったよりも大勢の人間たちが集まっていた。診察を待つ患者に病院のスタッフ、そして駿たちのようにあわてて駆けつけてきた救急患者の関係者たち。
夕夏の父が到着すると、夕夏の処置をした若い医師が容態の説明を始めた。先に母親に同じ説明をしているのだろうが、夕夏の母は今も力無くすすり泣くばかりで、彼女にも治療が必要ではないかと思えるほどだった。医師の質問にも何も答えられなかったのだろう。
「えーと、あの、ご家族の方ですか? 患者さんの……お兄さん、かな?」
医師の問いかけに、駿は首を横に振ろうとした。が、それより早く夕夏の父が低い声で答える。
「娘の友人です。彼が最初に、娘の様子に気づいてくれました。娘の携帯に電話をして、――そして私たちに、知らせてくれたんです」
「そうだったんですか」
まだ学生と間違えられそうなくらいの医師は、安心させようというつもりなのか、駿ににこっと笑いかけた。
「もう大丈夫だよ。発見が早かったから、大事に至らずに済んだんだ」
駿は、何も返事ができなかった。ただ一度、医師に小さく頭を下げる。
「あの……。俺、夕夏の病室に行ってもいいですか」
「うん。たぶんまだ薬が効いて眠ってると思うけど」
女性看護師に案内されて、駿は入院病棟へと向かった。
処置室のそばでは、夕夏の両親がまだ医師からの説明を聞いていた。
「静かにね。個室だけど、夜は声が意外に響くから、部屋の外に聞こえちゃったりするのよ」
看護師に短く礼を言い、駿は足音を忍ばせるようにして病室へ入った。
狭い個室に固い小さなベッド。そこで、夕夏は身動きひとつせずに眠っていた。
――生きて……る、よな。
思わず、疑ってしまいそうになる。
ベッドのそばに、病室備え付けのパイプ椅子を引き寄せ、駿は静かに腰掛けた。そうやって座ると、夕夏の様子がよく見える。
点滴がつながれた腕は折れそうに細い。まぶたを閉じたその顔は、あの五年前の夏と何ひとつ変わっていなかった。
名前を呼ぼうとする。けれど声が出ない。
生きていることを確かめたくて、駿は思わず手を伸ばしてしまった。
夕夏の額にはりついた髪を、そっとかきあげてやろうとした時。
「……駿?」
夕夏が、目を開けた。
薄青い暗がりの中で、夕夏の瞳も同じ色に染まって見えた。
「しゅん……」
かすかな声が、もう一度駿の名前を呼ぶ。
夕夏、と答えたはずだった。けれどその言葉は、まったく声にならなかった。
「しゅん……ないて、るの――?」
「え……?」
言われて初めて、駿は自分のほほに手をやった。乱暴にほほをこすった手の甲が冷たく濡れる。
夕夏がかすかに微笑んだような気がした。
「ごめんね……」
――なにが、ごめん、なんだ?
意味を問いただそうにも、声が出ない。
「こわかったんだよね、しゅんも……」
「……夕夏」
「あたし……こわかった。ずっと……ずっと、怖くて……。怖くて、でも誰も助けに来てくれなかった……」
「夕夏――!!」
ごめん、という言葉が、口をついて出そうになった。
ずっと言わなければと思っていた。あの夏の日からずっと、いつか必ず罪をつぐなわなければならないと。
そうだ――謝らなければいけないのは、夕夏じゃない。俺のほうなのに……!
「ありがと……」
かすかに、弱々しくだが、今度ははっきりと、夕夏が笑った。
「ごめんね、駿。駿も――怖かったんだよね……」
「夕夏……」
「でも、もう大丈夫だよ。駿……間に合ったよ。ちゃんとあたしを助けてくれたよ……」
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