「いいの? あのカフェ、パイとかクロワッサンとか、軽食くらいしか置いてなかったんじゃない?」
「うん、でもあそこ、駅からすぐだし。あそこまで行けば、知った顔にあう心配もないだろ?」
「駿くん――」
 軽く肩をすくめ、依里に笑いかける。その顔は、ほぼいつもどおりの駿だった。
「大丈夫。メシ食ったら、すぐにもう一度駅まで戻って、そのままバイク乗って帰るよ」
「うん」
 依里もほっと安堵のため息をつくように、うなずいて見せた。
 ハイネックのサマーニットとタイトスカートに着替え、手早くメイクを済ませる。
 駿は昨日着ていたTシャツに袖を通していた。
「食事の前に、服、買おうか」
「え、いいよ。これで」
「でもそれ、まだ少し湿っぽいんじゃない?」
 用心のため、まず駿が先に一人で部屋を出た。ドアを開ける時は、外の廊下に誰もいないことを確認し、
「まるで泥棒かなんかみてえ」
 と、苦笑していた。
 一〇分ほど遅れて、依里が素知らぬ顔で部屋を出る。待ち合わせは、駅ビルの中だった。
 駅に向かうまでのあいだ、身体中が浮き上がるみたいでひどく落ち着かなかった。みぞおちのあたりから次々に熱い小さなシャボン玉が生まれ、胸の中を飛び回っているみたいだ。指先にまでじんじんするような感覚が広がっていく。
 ――こんなに待ち遠しいんだ。彼に逢うのが。
 ついさっきまで、同じ部屋にいて、寄り添いあっていたのに。
 ――本当に私、子供みたいだ。
 駅の階段を登る足すら、妙に浮かれてリズミカルだった。
 階段の上で駿が待っている。その姿を見つけた時、胸の中で心臓がひとつ、大きく飛び跳ねた。
「ごめん、遅くなっちゃった」
「平気。でも早く行こう。俺、腹減っちゃった」
「うん。バイクにはもう少し、駐輪場で待っててもらわなくちゃね」
 休日の駅ビルは、買い物客やこれから電車で移動しようとする人々でかなり混雑していた。
 これなら駿と一緒に歩いていても、人目をきにせずにいられそうだ。駿も高校の制服姿ではないし、依里と並んで歩いていてもそれほど不自然には見えないだろう。
「やっぱり電車に乗る前に、着替え買おうね」
「え、いいよ別に。このままでも。もう乾いたし」
 服より先に食事と言いたげな駿に、なかば強引に一枚のTシャツをプレゼントする。
「いいから着替えなさいって。そのTシャツ、ゆうべ雨に濡れてるし、……ちょっと汗くさいぞ」
「――マジ?」
 駿は店の試着室で、依里が選んだTシャツに着替えた。浅いVネックの襟元が、まだ細い首筋のしなやかさをくっきりと際だたせる。
「似合う?」
「うん、ばっちり」
 少し照れる駿に、依里は思いきり微笑んで見せた。
 そして二人は、いつも降りるホームとは反対側から電車に乗った。
「なんか……不思議」
 車窓を流れる景色を眺め、依里はつぶやいた。休日に電車に乗ることはあまりない。そのせいなのか、いつもとは反対方向に流れる風景は、ふだんとは少し違って見える。
 それともこれも、駿と一緒に眺めているからだろうか。
「なんか言った?」
「ううん、なんでもない」
 窓の外の風景が、住宅地から商業地区、オフィス街へと変わってくる。
 別の路線と接続するターミナル駅で、二人は電車を降りた。
 改札を抜け、駅の建物を出るとすぐに、ロータリーの向こうにあの店が見えてくる。
「こんなに毎日通っててさ、俺ら、店の従業員に顔覚えられちまったかな」
「さあ、どうかしら。ここってマニュアル完備のフランチャイズチェーンだから、店の人だってお客一人一人の顔なんてろくに見てないんじゃないかしら」
 どんよりとした雲の切れ間から、夏を想わせる陽光が射してくる。とたんに気温が上がり始めた。
 熱せられたアスファルトはまだ昨夜の雨の湿気が残り、足元からむせかえるような熱さがたちのぼってきた。
 それでも依里は、迷うことなくオープンテラスへ出た。いつものあの席を選ぶ。
 いつの間にか二人のあいだにできていた、駿と逢う時の約束事。手順、と言ってもいいかもしれない。それを大切にしたかった。
 そのひとつひとつのルールを守っているうちは、この関係を続けていける。駿を守っていられる。そんな気がするのだ。
「平気? 中のほうが良くない?」
「ううん、大丈夫。少し風も吹いてるし、日陰ならそんなに暑くないでしょ」
 とは言うものの、さすがに梅雨の午後の暑さはけっこう堪える。依里は冷たい飲み物だけをオーダーした。
 だが駿は、この暑さにも食欲が減退するなんてことはないらしい。BLTサンドにクロワッサンも注文する。
 間をおかずに運ばれてきた料理は、見る間になくなっていく。女性向けなのかこぎれいに整えられた軽食は、駿にはいささか物足りないようだ。
「依里さん、なにも食べないの?」
「うん。――なんか、駿くんの食べっぷり見てるだけで、おなかいっぱいになっちゃいそう」
「別に俺、そんなむちゃくちゃ食うほうじゃねえよ。こんくらい、ふつうだって」
「うん、たぶんそうだろうなって思ってるよ。でも私、男の兄弟とかもいなかったから、男の子が食事するとこまじまじと見るの、初めてなの。だからびっくりしちゃって」
 空になったアイスコーヒーのグラスの中で、溶けかけた氷が、からん……と涼しげな音をたてた。
「――あれ」
 ふと、駿が手をとめた。
 意外そうな顔をして、周囲を見回す。
「どうかしたの?」
「うん……」
 駿はまだどこか不思議そうな表情をしていた。何度か店の周囲、ロータリーの向こうまでをもたしかめるように眺めている。
 が、やがて小さく肩をすくめ、笑ってみせた。
「やっぱ、なんでもねえや。気のせいだったみたい」
「そう?」
 駿はまた視線を依里に戻した。もう何も気にしていないらしい。
 依里もそれきり、よけいなことを考えるのはやめた。
「ねえ、そのサンドイッチ、おいしい? 私、ここで頼むのっていつも飲み物ばかりだから、料理のできばえ知らないのよね」
「ひとつ食べる? 依里さんさぁ、もう少し食ったほうがいいよ。朝メシとか、いつも食わないんじゃない?」
 駿は自分で小さなサンドイッチを手にとり、依里の前に差し出した。
 さすがにそのまま口に入れるのはためらわれ、依里は右手でサンドイッチを受け取った。
 駿がふと身を乗り出す。内緒事をささやくように依里の耳元に顔を近づけ、言った。
「でねえと抱いてる時、腰の骨があたってけっこう痛てえんだもん」
「……ば、ばかっ!!」
 耳元まで真っ赤になった依里に、駿は屈託なく笑った。
「ねえ、依里さんの夏休みっていつ? 休みんなったら、一緒に海行かねえ?」
「海かあ。でも、あんまり日焼けしたくないのよね。第一きみ、受験生でしょ。そんなひまあるの?」
「一日二日遊んだって、平気だよ。そのくらいで落ちるようなら、最初から何やったって無駄だって」
「なによ、えらそうに。そんなこと言って、クリスマス頃に真っ青になって慌ててても、知らないから」
「大丈夫。クリスマスもちゃんと依里さんのために空けとくから」
 ……本当に、一緒に海に行けるなんて思ってはいない。ましてやクリスマスなんて、あまりにも遠すぎて思い描くこともできない。
 それでも、信じていたかった。その時までずっと駿と一緒にいられる、と。――あるいは、信じるふりをしていたい。自分たちに未来があるのだと。
「……なに? 俺の顔、じっと見て。――なんか、へん?」
「ううん。とってもかっこいいよ」
「な、なんだよ。マジな顔して言うことじゃねえだろ、そんなの。聞いたこっちが恥ずかしいじゃん」
 本当に恥ずかしいのか、目元を薄赤く染める駿に、依里はくすくすっと笑った。
 駿との会話は、どんなささいなものでもすべて記憶しておきたかった。いつかそれが、自分の宝物になるような気がする。
 たとえこれきり、今日を最後に駿と逢えなくなっても、今、この瞬間は、依里の記憶から永遠に消えない。
 幸せだから、この時が終わるのが怖い。駿と別れることなんか、考えたくもない。
 ――へんだよね、私。いつだって、どんな男と付き合っていたって、そいつといかに綺麗に別れるかばかりを考えていたのに。
 駿と別れる場面など、想像もできない。
 今はこの時を楽しむことだけを考えていたい。駿も、苦しいことや哀しいことを思い出さずにいられるように。
 ――あなたが苦しいと、私も苦しい。あなたが笑うと、私も自然に笑いたくなる。
 まばたきするのも惜しいくらい、依里は駿を見つめ続ける。
 駿も同じだろうか。私の笑顔を見て、嬉しいと思ってくれているだろうか。
 そうだといい。自分の存在が少しでも駿を幸福にしてあげられたらいいと、依里は願った。泣いていた駿を無条件で守ってあげたいと願ったように。
 ――私、生まれて初めて本当の恋をしているのかもしれない……。





    SCENE 4 夕夏――六月二十五日


 ……誰?
 誰、その女。
 誰なの、駿。駿と一緒にいるその女、いったい誰!?
 夕夏は声をあげるのも忘れ、茫然と二人を見つめていた。
 蒸し暑い梅雨の晴れ間。午後になってかなり日差しも強くなってきたため、オープンテラスはうだるような暑さだろう。
 なのに店のロゴ入りのパラソルの下に座る二人は、そんな暑さもまるで気にならないようだ。楽しげに笑い、視線を交わし、時々秘密めかして顔を寄せ、なにかをささやき交わしたりしている。
 冷房の効いた店内にいる夕夏は、それでも暑さと人いきれで気持ちが悪くなりそうなのに。
 ――なによ、駿。その女の人、いったい誰。
 セミロングの黒髪と、大人の美しい横顔。肩を大きく出すサマーニットは、その黒い色が、抜けるような肌の白さを強調していた。
 見たこともない女の人。駿よりもずっと年上だ。学生にすら見えない。きっと働いている社会人だろう。
 二人はいったい何を話しているのだろう。
 どうして――どうしてあたし、こんなんを見なくちゃいけないの!?
 夕夏がわざわざ電車を乗り継いで自宅からかなり遠いオープンカフェに来たのは、この店のレシートを駿の部屋で拾ったからだった。
 昨日、駿の部屋から追い出された時に、たまたま素足に触れたレシート。ゴミ箱に放り込み損なっていたのか、小さく丸められたそれを、夕夏は足から取ろうとして無意識のうちに拾って持ち帰ってしまった。
 自宅に帰ってからようやく、自分が手に握りしめていたものに気がついた。
 捨てられていたレシートくらい、持ってきてしまっても別に問題はないだろう。そう思った。――そんなことよりももっと酷いことで、駿は怒っていたのだから。
 レシートの日付は一昨日、駿に逢えなかった日のものだった。
 夕夏も名前だけは知っているフランチャイズチェーンのカフェショップ。駿はおそらく予備校の帰りにでも、友達と寄り道したのだろう。
 その店に行ってみようと思ったのには、理由なんてなかった。
 あれから何度メールしても、電話しても、駿は返事をくれなかった。いっそ携帯ではなく家の電話にかけてしまおうかと、何度も思った。そうすれば、駿もさすがに電話口で声を聞かせてくれるだろう。たとえ一瞬で着られてしまうにしても。
 けれどそんなことをしたら、駿はきっとさらに怒るだろう。夕夏をどんどん嫌いになって、二度と許してくれないかもしれない。
 今はただ、駿の怒りが少しでもやわらいで、夕夏の言葉を受け入れてくれるようになるのを待つしかない。
 そう思い、夕夏は携帯電話を祈るように握りしめた。
 そのまま、一晩を過ごした。
 ベッドに入っても、少しも眠れなかった。
 目を閉じれば怖いことばかり思い浮かべてしまう。気がつけば両手を胸の上で、まるでお祈りでもしているみたいにぎっちりと組み合わせ、指先が反り返るくらい強く握りしめていた。
 ほどこうとしても、指が動かない。夕夏の意志に逆らって、ますます強く絡み合うみたいだ。そのうちに力が入りすぎたのか、両手ががたがたふるえ出す。
「え……っ。え、や、やだ――」
 宙に持ち上げると、ふるえがさらに大きくなる。まるで両手を上下に振り上げ、見えない何かをばたばたと力いっぱい殴っているみたいだ。
「や、やだ、停まって、停まって……っ!」
 夕夏はベッドにうつぶせになり、胸の下に両手を敷き込んだ。
 ――大丈夫。大丈夫、こんなのはなんでもないんだから。
 怖くなんかない。なにも、怖いことなんかない。
 ぜいぜいとうるさいこの音は、あいつの息づかいじゃない。これは夕夏自身の呼吸だ。
 そう、ここは自分の家。自分の部屋。誰もここまで入ってこない。
 いくらそう自分に言い聞かせても、自分で自分が信じられない。
 ――助けて、助けて、駿……ッ!
 そうやって身体で腕ごと押さえつけ、十分近くじぃっとうずくまって、ようやくふるえが収まる。
「どうしよ……」
 こんなことは、以前にも何回かあった。小学校で連続児童暴行事件が噂になり、その被害者を当てっこするのがはやった時。中学受験の直前。あるいはママが夕夏に彼氏ができたんじゃないかと疑って、しつこくあれこれ訊ね、監視していた時。
 精神的に追いつめられると、こんなふうに手がふるえたり、ひどい時は全身がけいれんしたみたいにふるえ出してとまらない。
「だ、だいじょぶ……。大丈夫。大丈夫だから……」
 意味なんてないまま、同じ言葉を繰り返し自分に言い聞かせる。それしか自分を落ち着かせる方法がわからない。
 ――あたし、やっぱりどっかおかしいのかな。ぶっ壊れてるよね、完全に。
 ようやく指が動かせるようになってきた。まだこわばりが残り、そうとう力を入れないと左右の手が離れなかったが。
 きっと、大声をあげて泣きわめきでもすれば、気分も少し落ち着くのだろう。
 でもそんなことをしたら、回りの人にヘンに思われてしまう。
 ママも夕夏のことを疑い出すだろう。そしてまた夕夏を責めるのだ。――ママはこんなにあなたのために気を使って、あのことが絶対にばれないようにしているのに、肝心のあなたがそうやって自分から言いふらすなんでどういうつもりなの、と。
 だから、何もできない。泣くことすら。
 声が部屋の外へ漏れないように歯を食いしばり、身体のふるえが止まるのを待つしかないのだ。
 そうやってふるえが止まっても、じっとしていたらまたすぐに、頭の中が怖いことでいっぱいになってしまう。
 カーテンを開ければ、その暗い窓にべたりとあのヘンタイ野郎が貼りついていそうな気がする。まるでつぶれたひきがえるみたいに。
 ――だめ。だめ、よけいなこと考えないようにしなくちゃ。
 大丈夫、あいつはもうこの街にはいないんだから。警察につかまって、どっか遠くの刑務所に入れられてるはずなんだから。
 自分にそう言い聞かせても、腹の底からざわざわと這いのぼる恐怖がどうしても消せない。まるで冷たい小さな虫が数え切れないほどこの身体に巣くっているみたいだ。そしてきっとその虫は、あの六年前の夏の日に夕夏の中へ植え付けられてしまったのだ。
 その虫を押さえつけておくためには、部屋の灯りを煌々とつけ、なにか気の紛れるようなことをしているしかない。
 最初は駿のことを考えようとした。けれどそうすると、昼間に言われたあの一言が繰り返し頭の中に響き、また堂々巡りになってしまう。
 ――なんか、別のことしよう。
 ゲームとかネットとか、あんまり頭を使わず、時間だけがつぶせるようなことがいい。
「えっと……。どうしよっかな……」
 夕夏は起きあがり、携帯電話を手にとった。
 駿にメールを出しても無駄なことはわかっている。メールの文章をつづっているとまた怖いことで頭がいっぱいになって、手が震えだしてしまうかもしれない。パケット通信に接続し、ぼんやりとサイトを眺めることにする。他人が書いた日記を斜め読みしていれば、夕夏自身のことはなにも考えずにいられるだろう。
 やがて、女子高生や中学生のブログが多く集まるサイトにたどり着いた。
 同じ年頃の女の子たちがつづる携帯ブログには、夕夏と同じように恋に悩む子たちの心情がストレートに書き込まれている。
 好きな人にひどいこと言われた。彼の心が信じられない。
 彼に言われた一言がいつまでも頭の中から消えない。夜も眠れない――。
「へえ……」
 顔も名前も知らない、電波の向こうにいる女の子たち。けれど彼女たちの想いは、夕夏のそれとぴったりと重なる。
 ――良かった。
 良かった。あたし一人じゃない。
 夕夏はぼんやりとブログを眺め続けた。眠れない夜の愚痴、独り言、そして恐怖。それらから逃げるおまじない。それでもだめなら、もっと具体的な方法――。
「ふうん……。これくらいなら、あたしにもできるかな……」
 同じ女子高生たちが試している方法なのだ、そんなに怖いことじゃないはずだ。必要な品物も、夕夏の家にも揃っているものばかりのようだし。
 自分と同じような子が、ほかにもいる。そう思うことで、ささくれだった神経も少しずつ落ち着いてくる。
 カーテンの向こうからしらじらと朝日が射し込み始めるころ、夕夏はようやくとろとろと浅い眠りについた。
 そして、沈黙したままの携帯電話を見つめ、ほかには何一つできない日曜日。
 夕夏はふと、レシートの店へ行ってみようと思いついた。
 レシートにプリントされた最寄り駅の名前と、駅から徒歩0分の文字。それだけを頼りに、電車に乗った。
 一人で自分の部屋にこもっていると、また両手がふるえて止まらなくなりそうだった。同じく一人で過ごすにしても、喫茶店やファミレスや、他人の眼のあるところにいれば、人の話し声も聞こえて気も紛れるし、そこまでひどいことにはならずにすむだろう。眠れなかった夜をすごしたあとは、いつもそうしている。
 そして、たとえこの店を見つけられなくても、駿と少しでも関わり合いのあることをしていたかった。
 電車に乗っているあいだ、寝不足のせいか頭が妙にふらふらして、電車を降りてもまだ身体全体が揺れているようだった。
 目的の駅の改札を出ると、レシートのカフェはすぐに見つかった。本当に駅からすぐ、ロータリーを挟んで真向かいにあったのだ。
「へえ……。オープンテラスもあるんだ、ここ」
 気候のさわやかな時期なら屋外でお茶するのも、気持ちがいいだろう。けれどこの暑さでは、さすがに外の席で長時間過ごす気にはなれない。
 夕夏は店内の一番奥まった席に座り、アイスティをオーダーした。





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