「あっ、ああ、ああっ! い、一京ぃ!!」
だ、だめ。そんなに激しくしないで。
一京の、熱くて、すっごく硬くて……ああ、すごいの、あたしの中で、どんどんおっきくなってくるぅ!
それが、それが暴れてる。あたしの中で、めちゃくちゃに暴れて、そんな、もう、あそこが壊れそう。
「そ、そんなにしないでぇ……。も、もっと、優しく……優しく、し……てっ――!」
「優しく、だぁ? もっとひどくして、のマチガイだろ!? オレのに食いついて、離さねえじゃんかよ! おらあ!!」
また、一気にずぷって、根元まで。
「ああんっ! だ、だめえっ!」
一京はあたしの身体をつかんで、背中から抱いて、自分の膝の上に乗せた。
「あひいいんっ!!」
真下から一京が突きささる。体重がかかる分、今までよりずっと深く。
あそこから、頭のてっぺんまで、串刺しにされたみたい。
「あ、ああ、いいっ! 気持ちいいっ!!」
「イクのかっ!? イクんだろ、こもも!」
「う、うん、イッちゃうっ! イッちゃうのぉ! こもも、もう、イッちゃううっ!!」
一京が、めちゃくちゃに突き上げてくる。あたしの身体も、それに答えてる。
身体が揺れる。2人とも、ばらばらになっちゃうくらいに。
一京の指が、クリちゃんをいぢめてる。ころがすとかつまむとか、そんなんじゃなくて、ほんとに、爪をたてて捻る。
「い、いたぁい……っ! いやあ、いっけいぃっ! ああ、だめええっ!!」
でも、いいの。痛いのが、すごくいい。そこから真っ白なデンキが、身体中にびんびん走ってくみたいで、脚の先までがくがくふるえちゃう。
「いいぜ、こもも! すげえ締まるっ! サイコーだぜ!!」
「あ、い、一京っ! あんっ! ああ、あ、はあああんっ!」
悲鳴と、激しい息づかいと、やらしい音が重なりあって、保健室に響いてる。
もうだめ。気持ちよくって、一京のがあんまりすごくって、もぉ、死んじゃいそう。
もっと、して。もっと、めちゃくちゃにして。胸も、あそこも、おしりも、こもものみんな、みんな、めちゃくちゃにいぢめて!
「いいっ! いいの、一京ぃ! いっけい、あっ、あああーっ!!」
「くぅ、こ、こももぉっ!!」
あたしの中で、一京が爆発する。
「ああ、いっけいぃぃっ!!」
あたしも一緒に、死んじゃうくらいのエクスタシーに、のぼりつめた。
それから、あと2回もエッチさせられて、とうとうあたし、午前中の授業はぜんぜん出られなかった。
3回めのエッチなんか、一京、なかなかイッてくれなくて、あたしだけが何度も何度もイカされて、ほんと、失神寸前。死んじゃうかと思った。
ぐったりして、起きることもできなかったあたしを、一京ってばさっさと見捨てて、自分だけ教室に戻っちゃった。
やっと歩けるようになったのは、もうお昼休みになってから。
制服はぐちゃぐちゃ、シワだらけ。こんなんじゃ、一目で制服のままエッチしたって、バレちゃう。しょうがないから、ロッカーに置いておいた予備の制服に着替えて。
「どしたの、こもも。めずらしいね、あんたがサボリなんて」
教室に入ると、偲
(しのぶ)
ちゃんが声をかけてきてくれた。
偲ちゃんは、スポーツ特待生。学園期待の陸上選手なんだよ。
玉華学園て、たっかぁーい授業料を払うお坊ちゃまやお嬢さまとは別に、奨学金を出して、東大現役合格間違いなしの秀才クンや、全国レベルの優秀なスポーツ選手を集めてるの。
秀才クンたちは、「特別進学科」ってかたちで1つのクラスにまとまってるけど、スポーツ特待生たちは、普通科のクラスにばらけて所属してるんだ。この向坂偲ちゃんみたいに。
普通科のほかの生徒たちは、たいてい初等部(玉華じゃ、小学校のことをこう呼ぶの)からの持ち上がり。あたしみたいな中途編入は、わりとめずらしいの。
一京も、幼稚舎(つまり、幼稚園ね)からずーっと玉華に通ってる。そーゆー生徒が特進科に入るのは、めったにないこと。
しかも一京、特進科の中でもトップクラスみたい。毎晩遊び歩いて、いつ勉強してんだか、わかんないのに。
「デキが違うんだよ。アタマのデキが」
一京はそう言うけどね。
「なんだ、また君嶋センパイ?」
あたしはしょうがなく、うなずいた。
偲ちゃんは、玉華学園に転校して、初めてできたお友達。
ほかの、幼稚舎からずーっと玉華に通ってるお嬢サマたちは、あたしみたいな平民、どーせ住んでる世界が違うのよ、ワタクシたちについてこられるわけないでしょって感じで、友達になるなんて、とてもとても。おまけにそーゆーお嬢サマにかぎって、一京に夢中なんだもん。正体も知らないクセにさ。
そんな中で、スポーツ特待生として、やっぱり高等部から編入してきた偲ちゃんだけが、あたしと仲良くしてくれるの。
だからあたしも、偲ちゃんにだけは、だいたいの事情を打ち明けてるんだ。
「まったく、あんな男のどこがいいんだか。あんたもよく我慢するよねえ」
あたしだって、ほんとは我慢なんか、したくないもん。でもあたしが一京のとこ逃げ出したら、パパとママが今以上に「金返せ」ってキミジマニコニコローンにいじめられることになる。だから……あたしが我慢するしか、ないじゃない。
「ほら、午前中のノート。テストの範囲も、発表になったからね」
「ありがと、偲ちゃん」
あたしは急いでノートを写した。
あー、おなかすいたあ。でももうすぐ昼休みも終わっちゃう。学食も閉まるし、購買部のパンだって、なんにも残ってないだろーな。
一京はいいよね。「君嶋一京ファンクラブ」の女の子たちから、お弁当とか手作りお菓子とか、食べきれないほどもらえるんだもん。
「ほら」
目の前にぽんと置かれた、キャンディ。
「ないよりマシでしょ」
「しのぶちゃ〜ん、ありがとぉ〜」
うえーん、やっぱり持つべきものはお友達だあ。
「あんたも苦労するよねえ。さっさと他のオトコ、探しゃあいいのに」
「んー、でもお……」
「こももだって可愛いんだからさ、その気になれば、カレシの1人や2人、すぐできるだろうに」
そうかなあ……。
「だって君嶋ってば、まるっきり時代劇の悪代官じゃん。金の力でやりたい放題でさ。だからこももは、こももを守ってくれる水戸黄門なりねずみ小僧なりを見つけなきゃ。せめて学校にいるあいだだけでもさ。でなきゃこもも、身がもたないよ」
うーん、それはそのとおりなんだけど。
「偲ちゃんさぁ、たとえがふるいよ。おばーちゃんみたい」
「い、いーじゃん! 時代劇が好きなんだよ、あたしは!」
そのうちに、きんこ〜ん、予鈴が鳴って。
「あ、やばぁ!」
午後の授業くらいは、まじめにしてなくちゃね。
授業が終わると、あたしはいつも特進科の教室へまっしぐら。
「おせーぞ、こもも!」
それでも、一京にどなられる。
「そんなあ。これでも、いっしょうけんめい走ってきたんだよ」
「うるせー! いいわけすんな!」
そして一京、自分のカバンをあたしに放り投げる。
「それ持って、おまえ、先に帰ってろ」
ふーんだ。また夜遊びですか。
「よう、君嶋」
教室を出ようとするあたしと入れ違いに、1人の男子が一京に近づいていった。学年章は2年生。特進科ではないみたい。
「悪りぃ、君嶋。また、金貸してくんねえか? ちょっと足んなくってよ」
「ああ、いいけど。――知ってんだろ? オレ、利子とるぜ」
「しょーがねーよ。万単位の金、すぐにまわしてくれんの、おまえだけだしよ」
一京はおさいふを出して、ついでにあたしを呼び戻した。
「こもも。オレのカバン、よこせ」
カバンからレポート用紙を出すと、お金と一緒に男子生徒へ渡す。
「一筆書いてもらうぜ」
こんなことは何回もあったのか、彼は黙って一京の言うとおりにしてた。
「あ、君嶋くぅん。あたしもおねがぁい。今月、ケータイの料金が思ったよりいっちゃっててさあ」
お金持ち学校のお坊ちゃまお嬢さまっていっても、おこづかいの額は、フツーの子とそれほどかわんないみたい。そりゃそうだよね、子供のうちから無制限にお金渡してたら、経済観念おかしくなっちゃうもんね。
そのうちに、
「こもも、待てよ。やっぱ、オレも帰る」
一京が少しぶすったれて、教室を出てきた。
「どうしたの?」
「みんなに貸したら、オレの遊ぶ金がなくなった」
……あ、あのねえ。
「ねえ、一京」
駅に向かって一緒に歩きながら、あたし、ふと言ってみる。
「あれって、やっぱりマズいんじゃないの? 利子とるのは」
「なに言ってやがる。銀行だって郵便局だって、金貸しゃあ利子とるんだぞ」
「うん、でもお……」
「金貸しが利子でもうけて、どこが悪い!」
一京、胸をはる。
「オレん言えは、先祖代々、悪徳金貸しやってんだ。8代前のご先祖は大岡越前にとっちめられ、6代前は遠山の金さんにぶん殴られて、それでも金貸しはやめなかったんだ! 見てろ、こもも! オレも親父の跡をついで、先祖に恥じねえ立派な悪徳金融業者になってやるぜ!!」
立派な悪徳業者って、いったいナニ……?
これさえなければ、一京、すっごくかっこいいのに……。
ほんと、そこらのアイドルなんてぜんぜんメじゃない。頭が良くてハンサムで、おまけにお金持ち。まるっきり王子さまみたいなのに。
「こもも。なんだぁ、そのツラァ」
じろり。一京がにらんだ。
「オレが金貸しやってんのが、そんなに不満か!」
「い、いえ、そんなことは……」
「その金貸しのおかげで、一家そろって首吊んなきゃならなかったのを、助かってんのは、どこのどいつだ、おらあ!」
「は、はい! うちですぅ! うちの家族が生きてられるのは、キミジマニコニコローンがお金貸してくれたおかげですう!!」
「山ほど借金かかえてんのに、おまえがソープに売り飛ばされずにすんでんのは、いったい誰のおかげだと思ってやがんだっ!!」
「はいっ、一京くんのおかげですっ!」
「一京クン、だあっ!? 一京サマと呼べ、一京サマと!!」
「はいいっ! い、一京サマぁっ!!」
ああ……あたしって、なんて不幸な女の子……。
2 禁じられたア・ソ・ビ
そんなこんなで、中間テストも終わり。
「すげー。君嶋、またトップかよ」
「こないだの全国模試でも、東大合格安全圏だったんだろ?」
廊下に貼りだされた上位成績者の一覧表の前で、一京はクラスメイトに囲まれていた。
あたしは……言いたくない。
だって、だって、しょーがないじゃない。もともとアタマ、パーなうえに、一京のせいで、まともに勉強させてもらえないんだから!
「気にすんなよ、こもも。おまえの成績ぐれー、寄付金でどうにでもならあ。5百万も寄付すりゃあ、恥かかねえ程度の成績で卒業させてもらえるぜ。しかも女にゃ、玉華の付属短大があるんだ。進路の心配もいらねえぞ」
て、一京は言うけど。
どーせその寄付金、パパの借金に上乗せされちゃうんだもん。
でもこの成績順位、特進科の人たち、ほんとはすっごくくやしいだろうな。
成績を買われて全国から集められた秀才クンたちだもん。初等部からの持ち上がり組のことなんて、きっと
「けっ、金持ち坊んなんて、バカばっかだぜ」
とか思ってたはず。実際そのとおり、普通科の生徒はほとんど、あたしと似たり寄ったりのパーばっかりだし。
でもそんな持ち上がり組の一京が、特進科でもトップなんて。しかも一京、ガリ勉してる様子もなくて、授業だってあんまりまじめに出てないのに。
「たまにそーゆーヤツって、いるよ。スポーツでもさ、持って生まれた才能としか、言いようがないけどね」
スポーツ特待生の偲ちゃんが言うと、実感あるなあ。
「で、今日は1人で帰るの?」
「うん。一京、遊びに行っちゃったから」
あたしにカバン押しつけて、ね。この調子じゃ、今夜もきっと午前サマだな。
「じゃ、これ、渡しとかなくちゃ」
そう言って偲ちゃんは、バッグの中から白い封筒を出した。
「あんたが君嶋センパイのそばを離れたら渡してくれって、頼まれてたんだ」
「手紙……? 誰から?」
「裏に書いてあるよ」
偲ちゃん、にっこり笑ってささやく。
「チャンスだよ、こもも」
「チャンスって、なにが?」
「ほら。あんたの水戸黄門だか鞍馬天狗だかになってくれる、オトコ!」
「あ、ああ……。その話――」
「しっかりしなよ、こもも! このままずーっと君嶋一京の言いなりになって、高校生活をだいなしにするつもり!? あんただって、幸せになる権利があるんだよ!!」
「う、うん……」
あたしに手紙を渡すと、偲ちゃんは校庭に向かって走りだした。
「じゃあね、がんばるんだよ、こもも!」
「うん――。ありがと……」
『前略 小池もも様
突然こんな手紙をもらって迷惑かもしれませんが、ぼくの気持ちを、どうしてもきみに知ってほしかったんです』
手紙は、そんなふうに始まっていた。
これってやっぱり、ラブレター、だよね。
きゃー、うそお。ラブレター。この、あたしに!?
家に――て言っても、ほんとは一京の家だけど――帰ってすぐに、あたしは手紙を開けてみた。
差出人の名前は、西野幸也
(にしのゆきや)
。……知らないなあ。偲ちゃんに手紙をあずけたってことは、玉華学園の生徒なんだろうけど。
『学校で、通学の電車の中で、ぼくはいつもきみを見ていました。もし迷惑でなければ、ぼくの携帯にTELかメールをください』
だって。
わー、きゃー、どおしよお。どきどきしちゃう!
そうだよね。偲ちゃんじゃないけど、あたしにだって、こーゆーことの1回や2回、あったっておかしくないよね。
ほんとは、こういうの、あこがれてたんだ。
めちゃめちゃハンサムとかじゃなくていいから、優しくて頼りがいのあるカレシと、放課後、いっしょに街を歩いたり、日曜日にはおべんと持って、遊園地に行ったり。
そんでもって、あたりがちょっと暗くなって、街もライトアップされるころ。じっとあたしを見つめて、彼がささやいてくれるの。
「こもも、好きだよ」
って。
きゃー、きゃー、きゃーだあ!
思っただけで、ほっぺた赤くなっちゃうよぉ。
あ、でも。
「一京、なんて言うかな……」
まさか、
「良かったじゃねーか、こもも! 幸せになれよ!」
なんては、言ってくれないよね。
もう一度、手紙をゆっくり読み返して。
あたしはもとどおり、びんせんを封筒の中へ入れた。
もうちょっと、考えてみよう。
今すぐ返事をくれ、なんては、書いてないんだし。もうちょっと、ゆっくり考えてからでも、いいよね。
とーこーろーがぁ。
「わー、すっげー! ちょーでかい家ぇ!」
いきなり、家中にきんきん声が響きわたった。
「いやーん、一京って、マジちょー金持ちじゃーん!? ちょーすげーってゆーかぁ!!」
な、なんなの、このアッタマ悪そうな声!
2階のあたしの部屋まで聞こえる。共鳴で、本棚からモノが落っこちそう!
「おい、こももー! こもも、いねーのかぁ!?」
玄関から、一京の呼ぶ声もする。
どんなに夜遅く帰ってきたって、一京、あたしがちゃんと起きて待ってないと、怒るの。自分はぜんぜん時間なんか気にしないで、今日だってしっかり夜中の12時過ぎに帰ってきたくせに。
でもまあ、あたし、借金のカタにここにいる以上、文句なんか言えないし。
しょーがなく、玄関までお出迎え。
すると。
「やーだぁ! 一京、ナニよ、このヘンなオンナぁ!!」
ド派手なピンクのワンピに、金ピカブランドアクセがじゃーらじゃら、あたしよりちょっと年上、女子大生みたいだけど、いかにも頭カラッポそうなオンナが、一京の肩にしなだれかかってた。
近づくと……一京、お酒くさい! えーい、この酔っぱらい! 十代でアルコール依存症になったって、知らないぞっ!!
「ちょっとお。一京、誰よ、このオンナぁ!」
そりゃ、あたしのセリフよ!
でも一京は、
「ああ、気にすんな。こいつ、こももってんだ。ちょっとワケアリでオレん家にいるんだけどよ。ま、オレ専用のメイドみてーなもんだな」
「メイドぉ!? やーだぁ、一京、そーゆーシュミあんのお!? じゃあアタシも、コスプレしなきゃじゃーん!」
「うーん、そんなイイもんでもねえか。せぜいペットってとこかぁ!?」
な、なによ、その言いぐさはっ!
借金のためにいるからって、あたしは人間あつかいもしてもらえないの!?
一京、今までそんなふうに、あたしのコトを見てたの!?
「よう、こもも。オレ、腹へってんだ。なんか食わしてくれよ」
「えー。アタシ、おなかいっぱぁ〜い。それよりぃ、一京のが食べたあい」
脳細胞までどっピンクのバカオンナ、一京に抱きついて片足をあげ、一京の太ももにすりすりしてる。
「ねえ一京ぃ。早くベッドに行こーよぉ」
「んー? そうかあ?」
そんな低脳オンナに抱きつかれて、どうしてうれしそうな顔するのよ、一京!
一京はオンナの腰をかかえて、2階へ行こうと、あたしの横を通り過ぎる。
「なんならこもも、おまえも来るか? 2人でも3人でも、オレは平気だぜ」
「だっ、誰が行くか、あほんだらあッ!!」
にやにやしてた一京を、思いっきりひっぱたいて。
「どスケベ! ヘンタイ! 性欲魔人! 一京なんか、ヤリすぎで死んじまえ!!」
一京はひどくびっくりした顔をして、ひっぱたかれたのに、怒るのも忘れて、あたしを見ていた。
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